ウォーターサーバーのお湯は、工夫した使い方やサーバー選びをしないと、カップ麺や粉ミルクには使えません。
「サーバーでコーヒーは飲めるよね?」「カップ麺も作れるでしょ?」「ぬるま湯も出るだろう」と思っている場合は要注意です。
この記事では、
- サーバーのお湯の温度について
- サーバーのお湯が使える物
- お湯の温度を自在に調節する裏技
以上について解説していきます。
目次
ウォーターサーバーのお湯の温度はどれくらい?使用シーンの適正温度を紹介
お湯の温度は製品によって異なりますが、一般的には80~90℃で設定されています。
「今日は真冬で寒いから90℃の暖かいお湯を使いたい」「今は春でポカポカしているから少しぬるめで70℃のお湯を使いたい」と思っても、好きな温度に変えることはできません。
ただしサーバーによっては以下の機能が搭載されており、お湯の温度をある程度は変更できます。
- 再加熱(リヒート)機能搭載:90~100℃も使用可能
- 省エネモード / 弱温モード機能搭載:70~80℃も使用可能
それではより詳しく、サーバーの温度や使用用途ごとの適温などについて見ていきましょう。
サーバーのお湯の使用シーンと適正温度まとめ|コーヒーやお茶には最適!
サーバーのお湯は一般的に80~90℃です。それを考慮して、サーバーのお湯に適した飲み物や使い方、逆に適していない物を以下にまとめました。
サーバーのお湯に適しているもの
- インスタントコーヒー(80~90℃)
- 緑茶(70~80℃)
- ゆたんぽ(80℃)
- 焼酎お湯割(60℃)
- 白湯(50℃)
- 玉露(50℃)
※50~60℃はサーバーの冷水と温水を半々や2:1で混ぜれば対応可能
サーバーのお湯に適していないもの
- カップ麺(100℃)
- 粉末スープ(100℃)
- 紅茶(100℃)
- ほうじ茶(100℃)
- 熱湯除菌(100℃)
- ハーブティー(90~98℃)
- ウーロン茶(90~95℃)
- ドリップコーヒー(90℃~95℃)
- 粉ミルク(70℃前後)
- 煎茶→(70℃)
※再加熱機能搭載のサーバーであれば90~100℃の物にも使用可能
※省エネモード搭載のサーバーであれば70~80℃の物にも使用可能
サーバーのお湯は、インスタントコーヒーや緑茶には最適ですが、カップ麺や紅茶には温度が足りません。また粉ミルクや煎茶に使用する場合、サーバーのお湯は温度が高すぎるため適していません。
再加熱機能が搭載されたサーバーなら90~100℃のお湯も使える
再加熱機能は、サーバーのお湯がさらに温められ、温度を90~100℃程度まで上昇させる機能です。
温められたお湯の温度は徐々に下がっていき、通常温度80~90℃まで下がると、これより温度が下がらないよう保温されます。
つまり常に90~100℃のお湯を使えるわけではありませんが、再加熱機能を使うことで一時的に90~100℃のお湯が使えるのです。料理でお湯を使いたい場合やカップ麺を食べたい場合は、再加熱機能でお湯をさらに温めてください。
省エネモードが搭載されたサーバーなら70~80℃のお湯も使える
お湯はサーバー内で常に保温されているため、電気代がかかります。そのためサーバーによっては省エネモードやエコモードが搭載されています。
省エネモードとは、保温するお湯の温度を通常より低くし電気代を抑えるものです。そのため省エネモードを使用中は、お湯の温度が70~80℃まで引き下げられます。
通常時の温度は粉ミルクや煎茶に使う場合は温度が高すぎますが、この省エネ機能を利用することで、赤ちゃんのミルク作りにもピッタリの温度になるのです。
サーバーのお湯と冷水を混ぜれば50~60℃のぬるま湯も作れる
サーバーの冷水は通常5~10℃、お湯は80~90℃で保温されているため、サーバーの冷水とお湯を混ぜれば、50~60℃のぬるま湯を作り出せます。
- 冷水とお湯を半々で混ぜれば50℃前後のぬるま湯
- 冷水と温水を1:2で混ぜれば60℃前後のぬるま湯
冷水とお湯を混ぜる比率を変えれば好きな温度のお湯やぬるま湯を作り出せますが、半々もしくは1:2の混ぜ方がもっとも簡単でしょう。そのため冷水と温水を混ぜてぬるま湯を作る場合は、基本的に50~60℃です。
白湯や焼酎お湯割は50~60℃のぬるま湯が適温です。起きてすぐ白湯を飲んでホッと一息つきながら朝を迎えたい場合や、仕事終わりの自宅で焼酎お湯割りを飲んでゆっくりした場合は、冷水とお湯を混ぜて使ってみてください。
ポイント
冷水とお湯を混ぜる場合は、お湯を先に入れてください。冷水とお湯の場合、冷水が下に沈みます。そのためお湯を先に入れてから冷水を入れた方が、均一に混ざり温度が安定します。
ウォーターサーバーの温水タンク容量に注意
タンク容量はサーバーによって大きく異なりますが、0.9~2.0Lの製品が多いです。持ち運べるほど小型のサーバーであれば0.9L、比較的大きなサーバーであれば2.0Lなどさまざまです。
ただしサーバーのタンク容量のすべてが、温水タンクなわけではありません。たとえば2.0Lタンクのサーバーは、冷水タンクが1.2Lで温水タンクが0.8Lといった具合に分かれています。
冷水タンクと温水タンクの比率はサーバーによって異なるため、購入する際は必ず確認してください。お湯をメインに使いたくて1.0Lタンクのサーバーを購入しても、「温水タンクが0.3L分しかなくて使い勝手が悪い!」といった事態になりかねません。
電気ケトル・電気ポットとの比較
電気ケトルと電気ポットの電気代やお湯が沸く速度を、ウォーターサーバーと比較しました。あなたは電気ケトルや電気ポットの方が使い勝手はよいのか、それともウォーターサーバーの方が向いているのか比較検討してください。
ウォーターサーバー | 電気ケトル | 電気ポット | |
---|---|---|---|
月々の電気代 | 500~1,000円 | 180円 | 240円 |
お湯が沸く速度 | なし(常に沸いている) | 4分30秒 | 10分(いちから沸かす場合) |
保温機能の有無 | ◯ | × | ◯ |
温度調節機能の有無 | 製品による | × | ◯ |
※お湯が沸く速度は水1Lの場合で算出
お湯や水を頻繁に使う場合は、多少の電気代がかかってもウォーターサーバーを導入する方が使い勝手はいいです。使いたいときにすぐお湯が使えるメリットも大きいですよね。
一方でお湯を少ししか使わないため、使うたびに沸かせば問題ない人は電気ケトルが向いているでしょう。ただし電気ケトルはお湯の温度調節ができないため、粉ミルクを作るのには向いていません。朝起きたときにすぐ白湯を飲みたい人にも向いていないといえます。
また電気ポットは電気代も安く済み、使いたいときにお湯が使えるため便利です。あまりお湯を使わない人は電気ポットで間に合うかもしれません。ただし家族でお湯を使う場合は、電気ポットではすぐにお湯がなくなるでしょう。継ぎ足しを自分でおこなうため面倒です。
ウォーターサーバーからお湯が出る仕組み
ウォーターサーバーでお湯が作られて出てくる仕組みは以下の通りです。
- タンク内の金属棒が熱せられる
- 金属棒の熱で水が温められお湯になる
- 使いたいときにサーバーからお湯が出る
- 使われた分の水がボトルからタンクに補充される
- 一時的にタンク内の温度が下がる
- 金属棒で再び熱しられお湯になる
ウォーターサーバーの温水タンクには、金属棒が内蔵されています。この金属棒が熱せられ、タンク内の水が温まります。そして一定の温度で保温され、好きなときにサーバーでお湯を使えるのです。
サーバーでお湯を使った場合、温水タンク内のお湯が減ります。そのためサーバーのボトルから温水タンクに水が補充されます。補充された瞬間、温水タンク内の温度は一時的に下がりますが金属棒によりすぐ熱せられるため、いつでもお湯が使えるのです。
ウォーターサーバーでお湯を利用するときの注意点
ご家庭の状況や生活サイクルによっても注意点は異なりますが、最低限4つのことには注意してください。
注意ポイント
- 大量のお湯を使った後は一時的にお湯が出なくなる
- お湯を使う前は試し飲みして温度を確認する
- 小さいお子さんやペットがいる場合はロック機能を使う
- 自宅を長期間空ける場合も電源はONにしておく
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
注意1.大量のお湯を使った後は一時的にお湯が出なくなる
ウォーターサーバーは、好きなときに無限のお湯が使える装置ではありません。1度で使えるお湯の量は温水タンクの容量が上限ですし、1度に多くのお湯を使えばその後はしばらくお湯が出ません。
たとえば温水タンク1.0Lのサーバーでお湯0.8Lをいっきに使用した場合、ボトルから常温の水0.8Lが温水タンクに補充されます。温水タンク内の残り湯0.2Lに常温の水0.8Lを加えるため、温水タンク内のお湯はほぼ常温の水となります。つまりお湯をいっきに使った場合は、再度お湯が作られるまで待つ必要があるのです。
注意2.お湯を使う前は試し飲みして温度を確認する
ウォーターサーバーでお湯を使おうとしたときに、省エネモードや再加熱機能を利用した後だと、お湯がぬるいままだったり熱すぎたりしてしまいます。
そのためお湯を使う前は、試し飲みをするか湯気の出方を見て温度を把握するようにしてください。そうでないと「インスタントコーヒーを飲もうとカップにお湯を入れたが、ぬるすぎて溶けない」「白湯を飲もうとしたら熱すぎて飲めない」などの事態になりかねません。
注意3.小さいお子さんやペットがいる場合はロック機能を使う
サーバーによっては、水やお湯が誤って出ないよう、出水口にロック機能が付いています。ロック方式はサーバーによっても異なり、背面についている場合や、より安全なダブルロック式もあります。また温水の方にのみロック機能がついているサーバーも多いです。
サーバーのお湯は80~90℃近くあります。小さな子どもが間違ってお湯を出してしまうと、火傷では済まない可能性もあります。また猫など高い場所に登れるペットを飼っている場合も、注意が必要です。
なるべく出水口にロック機能の付いたサーバーを選ぶようにしてください。
注意4.自宅を長期間空ける場合も電源はONにしておく
旅行や出張などで、自宅を長期間空けることがある人も多いと思います。この場合「どうせサーバーを使えないし電気代節約のため電源をOFFにしていこう」と考えるかもしれませんが、それは危険です。
サーバーの電源をOFFにすると、サーバー内で冷やされた冷水や温められたお湯は、常温に戻ります。そして常温の水を放置した場合、雑菌が繁殖して衛生面に問題が起きるのです。
さらにサーバー内で1度温められお湯になった水が常温に戻っているため、温水タンク内は細菌にとって適度な温度と湿度が保たれています。もし腐らなかったとしても、衛生的に安全な水とは呼べない代物でしょう。
またサーバーによっては自動クリーニング機能がついており、自動でサーバー内を掃除してくれます。しかし電源をOFFにした場合、自動クリーニングも行われません。水は常温に戻り、水が流動することもなくなるため衛生面が悪化してくのです。
そのため自宅を長期間空ける場合でも、サーバーの電源は切らないでください。そうでないと久しぶりに自宅へ帰ってきてサーバーのお湯を飲んだ後、お腹を壊す可能性すらあります。
まとめ
サーバーのお湯は80~90℃が一般的です。しかしサーバーによっては70~100℃のお湯も出ます。あなたが普段お湯を使っている用途と、サーバーから出るお湯の温度は合っていたでしょうか?
もしカップ麺や粉ミルクを作るのにもお湯を使いたい場合や、普段から紅茶やドリップコーヒーも飲む場合は、お湯の温度を70~100℃に調節できるサーバーを選んでください。
再加熱機能と省エネモードが使えるサーバーであれば、温度調節ができ多くの用途でお湯が使えるため、便利で非常にオススメです。