
水道水には、煮沸しても除去できない発がん物質が含まれています。
「水道水でも煮沸すれば安全でしょ?」「煮沸すれば赤ちゃんでも飲める?」と考えている方も多いかと思います。正しい方法で行えば問題ありませんが、ただ煮沸するだけで発がん物質は取り除けません。
この記事では、
- 水道水を煮沸する正しい方法
- 煮沸させた水道水の安全性
- 水道水の品質や成分
以上について記載しています。
この記事を読めば、水道水の正しい煮沸方法がわかり、安全で美味しい水道水を飲めるようになります。ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
水道水を煮沸して飲むにはどうしたらいい?



水道水を煮沸させる際は、以下の手順で行ってください。
- やかんや鍋で水道水を沸騰させる
- フタを外す
- さらに10分以上加熱を続ける
- 冷たい水を飲みたければ冷ましてから冷蔵庫へ入れる
水道水には塩素やトリハロメタンなどの有害物質が微量に含まれています。大人が飲む分には問題が無いほど微量です。しかし安全面や味を気にする方は、煮沸することでそれらの有害物質を除去できます。
ただし単に煮沸させるだけでは除去しきれません。沸騰させてから10分以上の加熱をする必要があります。トリハロメタンは水温が上昇すると増加する性質を持ち、沸騰直前では1.0〜3.6倍に増えるため、すぐに加熱を止めてしまうと、元の状態よりもトリハロメタンが増えてしまうからです。







また沸騰させた水道水は塩素が抜けているため、保存に適していません。その日の内に飲み切るようにしましょう。
赤ちゃんの湯冷ましに使用するなら



水道水は赤ちゃんの湯冷ましに使用できますが、以下の点に注意して作ってください。
- ふたをせずにやかんや鍋で10分以上沸騰させる
- 電気ケトルや電気ポットは使用不可
- 必ず軟水を使用する
それでは1つずつ見ていきましょう。
ふたをせずにやかんや鍋で10分以上沸騰させる
赤ちゃんの湯冷ましは以下の手順で作ります。大人が飲むために、水道水を沸騰させる手順と大差はありません。
- やかんや鍋で水道水を沸騰させる
- フタを外す
- さらに10分以上加熱を続ける
- 人肌(35〜37℃)になるまで冷ます
1度煮沸した水道水は塩素が抜け、殺菌作用が無くなります。そのため痛みやすく保存に向いていません。赤ちゃんの湯冷ましに使う際は衛生面がとくに大切なため、作り置きはしないでください。
また1度作った湯冷ましを再加熱すると、空気中の不純物を取り込んでしまう可能性があり、塩素が抜けた水は少しの不純物が入るだけで衛生面に問題が起きます。可能な限り、その都度お湯を沸かして湯冷ましを作りましょう。
電気ケトルや電気ポットは向いていない
前述したように、有害物質を除去するには沸騰後10分以上の加熱が必要です。しかし電気ケトルや電気ポットの場合、水が沸騰すると自動で加熱が止まり、沸騰後は加熱を続けられないため、湯冷まし作りには向いていないと言えるでしょう。
何度も煮沸すれば問題ないと考える人もいますが、赤ちゃんに飲ませる場合はオススメできません。
最初に沸騰させた時点から冷ますことなく、続けて10分以上の加熱が必要なので、やかんや鍋を火にかけるのが適しています。
必ず軟水を使用する
日本の水道水は、多くの地域で軟水が使用されています。軟水はミネラルや不純物が少なく、赤ちゃんが飲むには適しています。
一方で硬水はミネラルを多く含んでおり、赤ちゃんが飲むには適していません。市販で売られているミネラルウォーターには、軟水の商品と硬水の商品があります。もし赤ちゃんに飲ませる場合は、軟水のミネラルウォーターを購入してください。硬度100mg/L未満が軟水のため、必ずラベルを確認しましょう。
また水の質、安全性にこだわりたい場合にはウォーターサーバーを利用するご家庭も多いです。ウォーターサーバーは加熱処理や除菌がされており、衛生面に力を入れているメーカーがほとんど。ミルクを作るたびにお湯を沸かす手間もかからないことから、子育てがらくになると好評です。
水道水を沸騰したあとの水の安全性



水道水には以下の有害物質が含まれています。
含まれる主な有害物質 | 影響 | 煮沸による除去 |
---|---|---|
塩素 | 衛生面を確保するため水道水に必ず含まれている。カルキ臭の原因となり味も落とす。 | ◯ |
トリハロメタン | 浄水場での塩素殺菌時に発生する。強い発がん採用がある。 | ◯ |
アルミニウム | 浄水場で使用する薬品に含まれている。ごく微量なためとくに問題はない。 | × |
鉛 | 水道管から溶け出し水道水に混ざってしまう。ごく微量なためとくに問題はない。 | × |
日本の水道水は衛生面の基準が厳しく、上記の有害物質は少ししか含まれていません。それを煮沸することで、塩素とトリハロメタンを除去できます。ただし他の有害物質は除去できません。
他にも鉄などの金属やクロロ酢酸類などの有機化合物が含まれています。水中の有機物と塩素が反応して生成され、環境汚染の原因されるほど害のある物質です。これを体内に取り込んでいるわけですから、身体に有害なのも当然です。
しかしこれらの有害物質は、塩素やトリハロメタンと比べてさらに微量しか水道水に含まれていません。アルミニウムは体内に入っても、99%はそのまま体外へ排出されます。そのため除去できなくとも、大人の身体であれば害はほとんど無いといえます。
ただし赤ちゃんには害を与えるため、気をつけてください。小さなお子さんやお年寄りにも害を与える可能性はあります。心配な場合は、加熱処理をするか浄水器やウォーターサーバーの導入を検討してください。
水道水を沸騰させる以外で不純物を除去する方法



オススメの方法は以下の2つです。
- 蛇口に取り付ける浄水器
- 水道直結型ウォーターサーバー
それぞれ見ていきましょう。
蛇口に取り付ける浄水器|簡単かつ低価格で使用可能
浄水器には以下のメリットがあります。
- 簡単に取り付け可能
- 有害物質を取り除き、味も美味しくなる
- 月々1,000円前後で使える
浄水器を取り付ければ、水道水の有害物質を簡単に取り除けます。衛生面を気にして煮沸する必要もありません。塩素のカルキ臭もせず、味も美味しくなります。蛇口をひねるだけでいつでも水が飲める生活です。







また月々1,000円前後で使用できる製品が多く、非常に手頃といえます。水を飲むためにミネラルウォーターを購入したり、毎回煮沸させたりする手間やガス代を考えると、浄水器を導入する方がコストパフォーマンスもよいでしょう。
ただし浄水器を取り付ければ有害物質や不純物を100%取り除けるわけではありません。大人が飲む分には問題ありませんが、赤ちゃんに飲ませる場合は煮沸することをお勧めします。
水道直結型ウォーターサーバー|美味しい水がいつでも好きなだけ飲める
水道直結型ウォーターサーバーには以下の特徴があります。
- 浄水器よりも有害物質を取り除き、味も美味しい
- 一般的なウォーターサーバーと違い、水の使える量は無制限
- 水だけでなくお湯も出る
- 月々4,000円前後で使える
- 最初に簡単な工事が必要
水道直結型ウォーターサーバーは、一般的な宅配水タイプのウォーターサーバーと異なり、定期便がなくボトルも不要です。水道管とサーバーを連結させ、水道水を直接サーバーに引き込み、サーバー内の高性能フィルターで水道水をきれいにろ過する仕組みになっています。
イメージとしては、- 浄水器とウォーターサーバーを融合させた製品
- 浄水器の上位版
といったものです。
水道直結型ウォーターサーバーは水道水とサーバーを連結させるため、最初に1時間ほどの簡易工事が必要となります。面倒に感じるかもしれませんが、特殊なフィルターで水道水をろ過しているため、浄水器よりも美味しくて衛生的です。
一般的なウォーターサーバーは、ボトルで届いた分の水しか使えません。多くの水を使えばそれだけボトルを購入する必要があり、お金もかかります。しかし水道直結型ウォーターサーバーは水道水を使っているので、量に制限はありません。
また浄水器の場合は水しか使えず、お湯は沸かす必要がありますが、水道直結型ウォーターサーバーであれば、好きなときに好きなだけお湯でも水でも使えます。







費用は月々4,000円前後。浄水器と比べると高額ですが、金額に見合った性能と使い勝手のよさがあります。水の衛生面を気にする場合は、ぜひ導入を検討してみてください。
水道水の安全性とは



水道水は大人がそのまま飲むなら、身体に害はありません。むしろ身体にいいとすらいえます。その理由は、以下の3つです。
- 水道水は雨や雪など自然の水を浄水場できれいにして作られる
- 日本の水道水は法律によって品質が厳しく定められている
- 水道水には身体にいいミネラルや栄養成分も含まれている
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
水道水は雨や雪など自然の水を浄水場できれいにして作られる
水道水を作る仕組みを極端に説明すると、雨や雪など地上に降り注いだ水を集め、浄水場できれいにするだけです。細かい手順は以下の通りです。
- 雨や雪が地上に降り注ぎ、地下へ浸透
- 河川やダム湖、湖沼、地下水となり、浄水場へ集まる
- 浄水場で塩素や薬品により浄化、消毒を行い水道水を作る
- 各地域の給水所や貯水タンクに水道水を貯めておく
- 水道管を取って各家庭に届けられる
地域によって雨や雪の品質は異なり、水を集める場所(河川から集めるのかダム湖から集めるのかなど)によっても水質は異なります。河川水は、豪雨や土砂災害により水質が変わりやすいですが、常に水が流れているため、回復が早いです。
ダム湖や湖沼は水質の変化は少ないものの、水の動きが乏しく、汚染が進むと回復に時間がかかります。地下水は水質も良く安定しているのが特徴です。







また浄水場での処理も、主に「急速ろ過」「緩速ろ過」「膜ろ過」「塩素消毒のみ」4つの方法があり、水道水の品質は地域によって変わります。
集合住宅地は、多くの水道水を貯水タンクに貯めてから供給されます。貯水タンク内では雑菌が繁殖しやすいので、より多くの塩素を使用して繁殖を防ぐため、味は落ちるのです。
水道水の作られ方は、どの地域でも大まかに同じですが、細かい部分や品質は地域によって異なります。地方出身者の人が、「東京の水道水は臭いし不味くて飲めない」というのもこれが理由です。
日本の水道水は法律によって品質が厳しく定められている
水道水の安全面に疑問をもつ人がいるのは、塩素消毒の際に発生するトリハロメタンが原因といえます。トリハロメタンには発がん作用があり、身体には間違いなく害です。
しかし日本の水道水は、水道法4条と水質基準に関する省令によって、非常に厳しく定められています。省令では51項目の水質基準値と水質管理上留意すべき26項目の目標値が決まっており、これをクリアした水だけが水道水として供給されます。
そのため衛生面において問題はなく、そのまま飲んでも身体に害は無いといえるでしょう。トリハロメタンの量も、大人の身体であれば害を与えないほど微量です。しかし味や臭いに関しては、塩素によるカルキ臭や雑味があり、人によっては不味く感じます。
日本の場合、水道法により水道水の塩素消毒が義務付けられています。そのため塩素による味の低下は防げません。水道水は飲むだけでなく、シャワーを浴びたり洗濯に使ったりも しますよね? 味の品質を保つことだけを考えるのは難しいのです。







ただし日本の水道水に含まれる塩素濃度は、世界保健機関(WHO)が定める基準よりも厳しく設定されています。そのため品質は、世界の中でもトップクラスといっていいでしょう。
しかし水道水の品質が国によってどれだけ保たれていても、各家庭に供給されるまでの水道管や貯水タンクの衛生面が保たれている保証はありません。あなたの住んでいる地域やマンションに大きく左右されるため、心配な場合は水道水を直接飲むのは控えた方がいいかもしれません。
水道水には身体にいいミネラルや栄養成分も含まれている
日本の水道水は、有害物質以外に以下の成分が含まれています。
- ナトリウム:体内の水分調整をしてくれる
- カルシウム:骨や歯を形成してくれる
- マグネシウム:骨の形成や体の代謝を助けてくれる
- カリウム:ナトリウムを排出する働きをする
- ケイ素(シリカ):骨を強くし、コラーゲン合成を促す
そのまま飲んでも衛生面には問題がなく、むしろ身体にいい成分が含まれているのです。味がイヤでなければ、水道水をそのまま飲む方が健康的ともいえるでしょう。
まとめ
水道水には有害物質も含まれていますが、微量なため大人であれば気にする必要はありません。しかし塩素によるカルキ臭や味の雑味が気になる場合、または赤ちゃんに飲ませる場合は、1度加熱して除菌しましょう。
加熱する際は、やかんや鍋で沸騰させ、沸騰してからフタを開けてさらに10分以上加熱してください。沸騰後10分以内に加熱を止めてしまうと、加熱前よりも有害物質は増えている可能性があるため気をつけましょう。
ただし加熱処理だけでは、水道水の有害物質を100%取り除くことはできません。より衛生面や味に気を使う場合は、浄水器やウォーターサーバーを使用してください。